データ結合で名刺を作る際の注意点

2020年6月16日火曜日

InDesign データ結合 文字化け

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データ結合は非常に便利な機能です。名刺やカタログを作成する際に活躍します。
一方で、名刺等で人名を扱う場合、漢字の字形は最も重要です。名刺は漢字を誤れば刷り直しは免れないでしょう。
そこで、私はデータ結合で名刺を作成する際、以下の2つを注意して作業しています。


サロゲートペア文字の文字化け

名刺をデータ結合で作成する際に、まずぶつかる問題がサロゲートペア文字の文字化けでしょう。
サロゲートペア文字とは、Unicodeの特殊文字のことです(詳細は割愛)。


支給のExcelデータに𠮷(土吉)」があった場合、データ結合で読み込むと文字化けします。文字化けした際、エラー等は表示されません。
そのため、データ結合後に文字化けを発見することは難しいと思います。

そこで、データ結合前に別のInDesignファイルを用意して、ソースファイルをコピー&ペーストで配置し、正規表現で下記を検索してサロゲートペア文字の有無をチェックするといいでしょう。

[\x{010000}-\x{10FFFF}]



 JIS90 字形とJIS2004 字形による漢字の違い


上記の『辻』という漢字の字形は、JIS90では「一点しんにょう」、JIS2004では「二点しんにょう」となります。

Windows VistaからJIS2004 字形のフォントが標準となり、2014年にWindows XPのサポートが終了となったことで、一般的なクライアントの環境はJIS2004字形と想定されます。支給データがExcelであれば、『辻』は2点しんにょうの可能性が高いと思います。




支給データがExcel場合は、JIS2004字形にすると無難です。
JIS2004の字形を使用するには、仮に小塚ゴシックであれば、「小塚ゴシック Pr6N」のように、Nがついているフォントを使用します

ただし、データ通り作ればクライアントが満足するわけではありません。
支給データが二点しんにょうの「辻」だったとしても、使用する人は一点しんにょうの場合はあります。
クライアントに字形の違いによるリスクを理解していただき、名刺を使用する本人にチェックしてもらう等、クライアントとコミュニケーションをとることが何より大切です。

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自己紹介

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組版歴20年以上のベテランオペレーターです。 InDesignをどう設定すれば効率と品質を向上できるか日々研究していますが、その成果として2016年に「第2回ジャグラコンテストInDesign」において、一次選考:1位、二次選考:1位という成績で総合優勝し、『InDesignマイスター』に輝きました。 翌年より同コンテストの専門委員を務めるほか、講演や記事執筆、Creative Cloud道場に出演するなどの活動しています。

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