一方で、名刺等で人名を扱う場合、漢字の字形は最も重要です。名刺は漢字を誤れば刷り直しは免れないでしょう。
そこで、私はデータ結合で名刺を作成する際、以下の2つを注意して作業しています。
サロゲートペア文字の文字化け
名刺をデータ結合で作成する際に、まずぶつかる問題がサロゲートペア文字の文字化けでしょう。サロゲートペア文字とは、Unicodeの特殊文字のことです(詳細は割愛)。
支給のExcelデータに「𠮷(土吉)」があった場合、データ結合で読み込むと文字化けします。文字化けした際、エラー等は表示されません。
そのため、データ結合後に文字化けを発見することは難しいと思います。
そこで、データ結合前に別のInDesignファイルを用意して、ソースファイルをコピー&ペーストで配置し、正規表現で下記を検索してサロゲートペア文字の有無をチェックするといいでしょう。
JIS90 字形とJIS2004 字形による漢字の違い
上記の『辻』という漢字の字形は、JIS90では「一点しんにょう」、JIS2004では「二点しんにょう」となります。
Windows VistaからJIS2004 字形のフォントが標準となり、2014年にWindows XPのサポートが終了となったことで、一般的なクライアントの環境はJIS2004字形と想定されます。支給データがExcelであれば、『辻』は2点しんにょうの可能性が高いと思います。
- JIS90とJIS2004の字形の違いについては、以下のfont naviさんの記事が分かりやすいです。https://fontnavi.jp/zakkuri/304-jis2004_jis90.aspx
支給データがExcel場合は、JIS2004字形にすると無難です。
JIS2004の字形を使用するには、仮に小塚ゴシックであれば、「小塚ゴシック Pr6N」のように、Nがついているフォントを使用します。
ただし、データ通り作ればクライアントが満足するわけではありません。
支給データが二点しんにょうの「辻」だったとしても、使用する人は一点しんにょうの場合はあります。
クライアントに字形の違いによるリスクを理解していただき、名刺を使用する本人にチェックしてもらう等、クライアントとコミュニケーションをとることが何より大切です。
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